ご挨拶

長崎県立対馬高等学校長 田川耕太郎

コロナ禍に負けない令和2年度に

 正門から続く桜並木もすっかりと花が散ってしまいましたが、よく見ると対馬の風物詩の一つヒトツバタゴの花が咲き始めていました。
さて、今春の人事異動では、19名の先生方が転出されました。異動されたほとんどの先生方は対馬高校を長く支えてくださった方ばかりで、対馬を離れる際の港や空港には、多くの生徒たちや保護者の方、そして同僚教職員が駆け付け、どれも盛大な見送りでした。紙テープが舞う船のデッキで涙を流す先生、それにエールを送る生徒。心に残る光景でした。

 ところで、今、全世界的にコロナウイルスが蔓延し、未曾有の緊急事態を招いています。感染した人は命の危機にさらされています。その人たちを救う医療従事者もまた死と隣り合わせにあります。アパートが立ち並ぶパリでは外出禁止令が出る中、毎晩8時にバルコニーから一斉に住民が拍手を送っているといいます。懸命に治療を続けている医療関係者への感謝と激励だそうです。そして、その拍手が地域住民の一体感を増しているとのことです。

 お世話になった先生方にエールを送る生徒たち、パリで拍手を送る住民、どちらも心の根っこは同じだと思います。他を思いやる心、感謝する気持ち。令和2年度を開始するにあたり、本校もまた、他を思いやる心や感謝の気持ちを大切する学校でありたいと思います。

 新型コロナウイルスの感染者増大は、本校にも大きな影響がありました。国際文化交流コース・科に属する離島留学生62名については、入島後2週間の観察期間を経て、4月20日に入学式・始業式をすることとなりました。外出禁止の中、不平不満をこぼすことなくみんな寮やホテルの個室で孤独に待機してくれました。医療関係者への感謝と激励をするパリ市民同様、国文の生徒に対しても、激励の拍手を送りたいと思います。

 さて、今年度の学校スローガンは昨年度に引き続き「伝統と進取の融合、今、進化に挑む!」にすることとしました。進化も小さな一歩から。小さな一歩の積み重ねは大きな成果を生みます。みんなで目標に向けて進んでいくコロナ禍に負けない令和2年度にしていきましょう。

令和2年4月8日